《ゾンビ》についての一考察

眉間にしわを寄せて、凝然と考え込んでしまったのでした。 特に、《記憶》に関しては、年齢の所為もあるのでしょう、やけに、その手のパターンが多くなった気がします。 どこかで、見た。 どこかで、聞いた。 確かに。 なのに、僅かな、本当に、僅かな記憶の…

バイバイ

静かに尽きる。 ヒトにも、それは可能だろうか。 幾億千と彼方に消えて行く生き物たちに問いかけ乍ら、私は、無様に生きて、生きて、生き尽くすのだろう。 哀しいけれど、それしか作法を知らないのだから。

がんばれ、はち子ちゃん

久々に、ネコさんの話でも。 ウチにも、ネコさんがやってくるようになりました。 こんなネコさんです。 この伊那谷という土地柄からか、ご近所には、矢鱈、ネコさんが大勢います。 実は、ついさっきも、病床に伏すネコさんのお見ミャいに行ってきたばかりで…

the room

Cam Closer - YouTube あぁ、結局は、貼り付けてしまいました。 よくよく調べたら、この〈一部屋で起こる恐怖の数々〉は、シリーズ化されてました。 いずれも、良い出来です。 ぜひ、御一覧を。 それにしても、《ショート・ホラー・ムービー》……ん?《ホラー…

玉響

気が付けば、ここ一ヵ月程、書いてませんでした。 やや面倒くさい内容のブログを、別に起ち上げてしまって…… というのは、言い訳ですが。 何となくの低迷状態。 ネタを探すのも、億劫だし。 そんな中、偶々ネットで見つけた《ショート・ホラー・ムービー》の…

オールウェイズ・カミングホーム

ここ伊那谷の地での初めての冬を迎えてからというもの、ずっと、頭から離れないイメージがあります。 ワイエスの絵。 運転の途中で、ふと目にする風景。 冬枯れた畑の隅の小さな池。 曇天が切り取る木々の傾斜。 骨組みまで朽ちた農機具小屋。 なだらかな丘…

緑の墓

彼らは自分たちの像を石には彫らない、木に彫るのだ。 アーシュラ・K・ル・グィン 『世界の合言葉は森』より 小尾芙佐 訳 『石』という《素材》ーーいや、《概念》と言う表現の方が、しっくりするかもしれませんーーが、《信仰》に於ける偶像の材料とされた…

石の血脈

石は、古代より、人間の生活には無くてはならない存在でした。 生活用具。建築用資材。装身具。極々限られた使い方ですが、食用も存在します。 これら実質的な使用方法としてだけではなく、精神的な拠り所としても、石は活用されてきました。 例えば、〈宝石…

境界線上の守り主

『南割』という地名は、何に、由来するのでしょうか。 〈割〉という言葉には、御存じのように、「分割する」という意味があります。 割り算、割り合い、割り振り、分割。 もともと、〈割〉は、「(刀で)切り分ける」という成り立ちを持つ字です。 『刂(り…

南割

さて。 伊那谷で暮らし始めて、あともう少しで、丸2ケ月。 色々な人と知り合い、仕事にも行き始め、車の運転にも、そこそこ馴れてきました。 そうそう、今朝、教科書も持っていないのに、どこかの大学の講義に出席している夢を観ました。 若しも、心の裡の…

ストレイカー

貴方は、幽霊の存在を信じますか? 貴方は、UFOの存在を信じますか? 貴方は、ネス湖にUMAが棲息していると思いますか? 貴方は、予知を信じますか? 貴方は、雪男が実際に居ると思いますか? 貴方は、呪いを信じますか? 貴方は、タイムトラベルを信…

林の中の象

一人のヒトの人生を喩える、最も、相応しい言葉とは、何か。 多くの人々が、考え、語り継ぎ、感化され、また思い、言葉にしてきました。 物語。本。詩。時。一日。夢。花。樹。河。道。旅。学校。芝居。ゲーム。 恐らく、そのどれもが当て嵌まり、得心のゆく…

イノリ

多情仏心

もっと、綺麗な月を我が手に、と眼球は嘆いた。

しまった。 まだ、栗名月、間に合ったみたい。 否、精確には、『後の十三夜』と呼ぶそうですが。 本来の栗名月は、先月の6日なのでしょう。 然も、今夜は、171年ぶりの月夜だそうです。 てな訳で、2日続けての、月の写真です。 朧月、 或いは、 薄月。 …

太陽の次。

蜻蛉の語源は、『飛ぶ羽根』に在ると謂う。 或いは、『飛ぶ棒』とも。 古くは〈トンバウ〉、と語し、その後、〈トバウ〉、〈トウバウ〉などと変化し、江戸の頃より〈トンボ〉と音するようになったとか。何よりも、蜻蛉は、何百年も前から、棒に翅が生えたよ…

Secret Window, Secret Garden

晴れた朝は、生き物たちの楽園です。 特に、幾日も雨と風が続いた後では。 雄雉が吠え、大赤啄木鳥が苔むした太枝を太鼓叩きし、蝗が跳び、車飛蝗の後肢が鳴き、それらを蟷螂が捕食しようと、凝然と草に溶け込みます。 黒猫が緩々と、彼等に分け入り、陽を浴…

あ。今日は、忘れなかった。

謎。 文字の形にしろ、その言葉の響きにしろ、 非常に心地よい語感です。 脳髄。 宇宙。 素数。 言語。 精神。 霊。 生命。 死。 科学的根拠にしろ、実証性・反証性にしろ、経験主義にしろ、何処か、在るようで無い、無いようで在るモノゴトの説明しか成り立…

雨に憂えば

今日の伊那谷さんは、 雨。 ですな。 霧。 も、です。 あれこれと 思惑多し 三連休 無情の雨。 ウチは、ウチで、先月分の出費に吃驚です。 概算で、283,023円。 然も、2カ月間、収入ゼロの状況で。 雨音が、一段と身に染みる…… 訳でもありませんが、不安は…

虚動浮心

異化。 或いは、事物を「再認」するのではなく、「直視」することで「生の感覚」をとりもどす芸術の一手法。 かつて語幹に宿っていながら現在では失われ擦り切れてしまったイメージにたどりつくとき、その美しさに僕らはしばしば驚嘆させられる。かつて在っ…

容疑者たち

御客様、御二匹様、御案内。 このクロちゃんは、堂々と、ウチの玄関の前で寝そべっておりました。 覚られて、激写、失敗。 妻が追い、殆んど、『だるまさんがころんだ』状態で撮りました。 逃げては、停まり、逃げては、また、停まる。 その繰り返し。 これ…

手相も観て戴けルンです。

悪い癖で、お店にしろ、他人の家にしろ、本棚が置いてあったりすると、ついつい、覗いてしまいます。本棚に並んでいる本の中身と住人の関係って、意外とあるようで、ないんじゃないか、というのが、私の持論です。特に、読書の習慣がなくても、本って、少な…

景観荘も、きっと嗤っていた…

家が、笑う。 そう謂うのだ、そうです。 どんなに荒れていても、 どんなに古びてても、 その人が住むと、家は、笑うのだそうです。 私たちが、誘い込まれるかのように住み始めた、この棲家は、果たして、笑ってくれているのでしょうか。 ああ、『その人』に…

〝黒に編む〟は、堂島下?

創作欲。 若しくは、 創作意欲。 ネット上で検索してみたら、結構、ヒットしました。 『維持の仕方』だとか 『湧かせ方』とか 『自己顕示欲』との関連とか。 そもそも、何故、そんな欲求が込み上げてくるのか。 それが、何よりも不思議なのですが。 つい最近…

夕陽の嘘

アメリカの作家、パトリシア・ハイスミスの初期の短編に、『素晴らしい朝』(仮題『素晴らしい山』 The Mightiest Mountain 未発表)という作品があります。 パトリシア・ハイスミスという人は、その処女作『見知らぬ乗客』(原題Strangers on a Train)が、…

逃げた鳥さんの、その後が心配です。

ここ数日、絵本の事を考えています。 子供の頃、家には、絵本らしい絵本は、ありませんでした。 読んでもらった、記憶も、ありません。 『ABCブック』と『キンダーブック』。 この二つぐらいでしょうか、何となく、憶えているのは。 『キンダーブック』は…

もう、獏には頼らない。

今朝、奇妙な夢の記憶と共に、目覚めました。 いや、奇妙という表現が、正しいか、どうか。 私は、何度も書いてきたように、よく、嫌な夢を見ます。 シチュエーションは、多少、違いますが、テーマは、大体、一緒。 何かが分からなくて、凄く困る。 例えば、…

雲隠

ちょっとだけ、思い出話を。 引っ越して来る前に住んでいたマンションの近くに建っていたビルの駐車場。 そこに、一匹の雌猫が、ちょくちょく、のたくってました。 蛇じゃ、あるまいに。 でも、ホント、まさに、『のたくる』って表現が相応しいほど、のたの…

『ショパン』と云われても…。

雨。 ずうっと、雨。 昨日までは、まだ、降ったり止んだりの小雨がぱらつく程度でしたが、今日は、朝から、しっかりと大地を濡らしています。 しかも、午後になって、愈々、激しく。 雨、 と謂えば、 ついつい思い出してしまう唄があります。 雨降りお月さん…

この世の果てなど、存在しない。

伊那谷。 長野県の南部を、二つの山脈に挟まれて南北に伸びる広大な地溝帯。 『谷』と呼称されてはいるものの、地形的には『盆地』を広く有し、その中央に沿って流れる天竜川の、恰も、巨大で細長い揺り籠のような存在。 私が、この『谷』を最初に観たのは、…

永遠の嘘

私が、この伊那谷は〈飯島〉という地に居を構えた理由とは、一体、何なのか。 まだ、考えております。 一応、公には、私が『長野に行きたい』と言い出した事になっています。 ウチの奥さんが誰かに話す時も、《旦那が、突然、言い出した》的な展開で物語られ…