永遠の嘘

 

 私が、この伊那谷は〈飯島〉という地に居を構えた理由とは、一体、何なのか。

 

 まだ、考えております。

 

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 一応、公には、私が『長野に行きたい』と言い出した事になっています。

 ウチの奥さんが誰かに話す時も、《旦那が、突然、言い出した》的な展開で物語られます。奥さんの実家の方々には、本当に、有り難がられます。

 

 よくぞ、言いだしてくれた、決断してくれた、と。

 

 まあ、言った事は間違いありません。

 

 でも、当の言い出したと言われている本人は、『確かに、口火は切ったけども、少し、ニュアンスが違うんだよねー』と思ってたりもします。

 『地方』で暮らそうと考えた場合、やっぱり、最初に頭に浮かんだのは、『長野』でした。

 その理由は、

 

 単に、馴染みがあったから。

 

 それ以上でも、以下でもありません。

 

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 これが若しも、例えば凄い旅行好きで、やれ北海道だ、沖縄だ、果ては、毎年必ず海外旅行に行かないと気が済まない、みたいな感じの人間であれば、もっと、あれこれ悩み考えたのでしょう。

 

 それほど旅行も好きではない、農業にも、蕎麦打ちにも、地域活性化にも、山登りにも、ログハウスにも、パン作りにも、いや、そもそも、田舎暮らし自体に、特に興味がない。

 

 だから、ぶっちゃけ、山梨でも、福島でも、北海道でも、奄美大島でも、何処でも、良かったっちゃあ良かったんです。

 

 まあ、流石に海外はナシでしたが。

 

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 取り敢えず、『都会』から脱出が出来れば、何処でもいい。

 でも、どうせ行くなら、見知った場所、通い慣れた土地、少しでも、知り合いが住んでる近くがいい。

 となれば、自ずと、候補は限られます。

 と言うか、一つしかありません。

 

 長野です。

 

 奥さんは、この『行くなら、長野』と言う言葉を聞いた時、コイツは何を言いだすんだ、と思ったそうです。

 私が、どういう思いで、故郷から出て来たと思っているのか。

 それを、あっさりと、『長野に引っ越す』で片付けてしまうのか。

 兎に角、最初は「信じらんなぁぁぁぁい」という思いだったと、後で聞きました。

 それ程、いい加減な物言いだったという事の証左でしょう。

 でも、私に言わせれば、『他に候補が無かったんだから、仕方がない』。

 どうも、私は、自分で知らず知らずのうちに、何処に引っ越すか、という問題よりも、何故、引っ越すのか、という理由に重点を置いてしまっていたようです。

 その理由にこそ意味がある訳で、場所なんて、何処でもいいんだと考えていた。

 だから、そんな簡単な物言いが出来たのでしょう。

 そして、それは、今なお、そう思っています。

 じゃあ、その理由とは何か、直ぐにでも、答えられる筈ではないか。

 経済的負担減。

 でも、よくよく考えたら、それって、別に『地方』でなくても、良いのですよ。

 それまでの倍、働けばいい話です。

 私の場合、午前中には、家に帰って来てた訳ですし。

 

 一体、何故、『長野』に住まわねばならないのか。

 

 歴史は、我々に、一体、何をさせようとしているのでしょう。

 

 などと、しょーもない、元ネタさえ、下手すれば、殆んど人が知らないかもしれない台詞を言ってる場合ではないのです。