2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧
異化。 或いは、事物を「再認」するのではなく、「直視」することで「生の感覚」をとりもどす芸術の一手法。 かつて語幹に宿っていながら現在では失われ擦り切れてしまったイメージにたどりつくとき、その美しさに僕らはしばしば驚嘆させられる。かつて在っ…
御客様、御二匹様、御案内。 このクロちゃんは、堂々と、ウチの玄関の前で寝そべっておりました。 覚られて、激写、失敗。 妻が追い、殆んど、『だるまさんがころんだ』状態で撮りました。 逃げては、停まり、逃げては、また、停まる。 その繰り返し。 これ…
悪い癖で、お店にしろ、他人の家にしろ、本棚が置いてあったりすると、ついつい、覗いてしまいます。本棚に並んでいる本の中身と住人の関係って、意外とあるようで、ないんじゃないか、というのが、私の持論です。特に、読書の習慣がなくても、本って、少な…
家が、笑う。 そう謂うのだ、そうです。 どんなに荒れていても、 どんなに古びてても、 その人が住むと、家は、笑うのだそうです。 私たちが、誘い込まれるかのように住み始めた、この棲家は、果たして、笑ってくれているのでしょうか。 ああ、『その人』に…
創作欲。 若しくは、 創作意欲。 ネット上で検索してみたら、結構、ヒットしました。 『維持の仕方』だとか 『湧かせ方』とか 『自己顕示欲』との関連とか。 そもそも、何故、そんな欲求が込み上げてくるのか。 それが、何よりも不思議なのですが。 つい最近…
アメリカの作家、パトリシア・ハイスミスの初期の短編に、『素晴らしい朝』(仮題『素晴らしい山』 The Mightiest Mountain 未発表)という作品があります。 パトリシア・ハイスミスという人は、その処女作『見知らぬ乗客』(原題Strangers on a Train)が、…
ここ数日、絵本の事を考えています。 子供の頃、家には、絵本らしい絵本は、ありませんでした。 読んでもらった、記憶も、ありません。 『ABCブック』と『キンダーブック』。 この二つぐらいでしょうか、何となく、憶えているのは。 『キンダーブック』は…
今朝、奇妙な夢の記憶と共に、目覚めました。 いや、奇妙という表現が、正しいか、どうか。 私は、何度も書いてきたように、よく、嫌な夢を見ます。 シチュエーションは、多少、違いますが、テーマは、大体、一緒。 何かが分からなくて、凄く困る。 例えば、…
ちょっとだけ、思い出話を。 引っ越して来る前に住んでいたマンションの近くに建っていたビルの駐車場。 そこに、一匹の雌猫が、ちょくちょく、のたくってました。 蛇じゃ、あるまいに。 でも、ホント、まさに、『のたくる』って表現が相応しいほど、のたの…
雨。 ずうっと、雨。 昨日までは、まだ、降ったり止んだりの小雨がぱらつく程度でしたが、今日は、朝から、しっかりと大地を濡らしています。 しかも、午後になって、愈々、激しく。 雨、 と謂えば、 ついつい思い出してしまう唄があります。 雨降りお月さん…
伊那谷。 長野県の南部を、二つの山脈に挟まれて南北に伸びる広大な地溝帯。 『谷』と呼称されてはいるものの、地形的には『盆地』を広く有し、その中央に沿って流れる天竜川の、恰も、巨大で細長い揺り籠のような存在。 私が、この『谷』を最初に観たのは、…
私が、この伊那谷は〈飯島〉という地に居を構えた理由とは、一体、何なのか。 まだ、考えております。 一応、公には、私が『長野に行きたい』と言い出した事になっています。 ウチの奥さんが誰かに話す時も、《旦那が、突然、言い出した》的な展開で物語られ…
今日は、飯田市で、〈第七回獅子舞フェスティバル〉が開催されました。 これだけの御獅子が一堂に会するのを目撃したのは、20数年前に観た『お練り祭り』以来です。 実に、勇壮でした。 伝承の力。 民芸の質実さ。 何もかもが、素晴らしかったです。 さて…
秋空の下、色づき始めた山々の下、大沼湖が、深閑と湧水を湛ておりました。 いや、それよりも、何よりも。 昨日、掲載させて戴いた、『あの方』のお役立ち情報と蟷螂さんの、その後です。 大沼湖に行こうとして車に乗ろうとしたら、花壇を見回っていた妻が、…
朝起きて。 朝ごはんを食べて。 歯を磨いて。 用足しに行って。 書きかけの小説を書いて。 買い物に行って。 昼ごはんを食べて。 歯を磨いて。 書きかけの小説を書いて。 たまーに、昼寝して。 晩ごはん作って。 食べて。 テレビゲームして。 体、洗って。 …
ウチの裏に、胡桃の木が植わっています。 オニグルミ だと思います。 私たちが引っ越してくる前から、ご近所の方が気を利かせてくれて、余分な枝を切ってくれていました。 実際、住んでみて分かりましたが、これだけ枝を切り落としても、「こんっ、ごんっ、…
今朝、寝床から見上げた風景。 見た目、晴れ。 秋愈々、深まりし遅き朝。 此処の所、やけに、寝ている間に浮上してきたと思しき〈不安〉を引き摺った儘、目を覚まします。〈不安〉は、覚醒するにつけ嘘のように掻き消えてしまうのですが、その奇妙な安心の獲…
実際には、そこまでで、 思考停止 でした。 まぁ、取り敢えず、経済的に『ヤバい』という事実は分かった。 でも、当分、先の話じゃん。あと、6、7年後でしょ? 妻は兎も角も、私は、そう考えました。 実は、もう一つ、予てよりの懸念事項があったのです。 …
それは、何気ない会話の中で、 突如、 飛び出して来ました。 「でも、多少は貯まってるんじゃないの?」と、私。 「何言ってんの、毎月、赤字よ?」と、妻。 「え。そうなの?」と、驚嘆する私。 「そうよ」と、冷淡に返す妻。 私は、当時、ゴトゴトと電車で…
なんて、嘘です。 単なる引っ越しです。 大体、引っ越して来て、新居に入って、先ず感動したのが、これでしたから。 アリジゴクです。 何かが、いえ、何もかもが不確かな、恰も、陽が沈みかけ、やがて夜が訪れようとする黄昏時のような、そんな中途半端な人…