穴の事件
ウチの裏に、胡桃の木が植わっています。
オニグルミ
だと思います。
私たちが引っ越してくる前から、ご近所の方が気を利かせてくれて、余分な枝を切ってくれていました。
実際、住んでみて分かりましたが、これだけ枝を切り落としても、「こんっ、ごんっ、ここんっ」と、胡桃の実が落ちて来て屋根に当たる音が、ハンパなかったです。
切って戴いてなければ、この時期、おそらく《天狗礫》状態になっていたでしょう。
ご近所さん、本当に、ありがとうございました。
さて、その胡桃の実(ああ、面倒くさい。以下、『クルミ』とします)ですが。
胡桃の木の周辺に、それはそれは沢山、落ちたクルミが転がっていました。
つい先日、妻は、それらを掻き集めるだけ掻き集め、昔、教わった通りに、庭に穴を掘って、埋めました。
こうすると、実の部分が腐って、種だけ上手く採れるのだそうです。
クルミを埋めながら、彼女が言った一言が、印象的でした。
「なんだー、私たち、『田舎暮らし』みたいな事、してるじゃない」
『田舎暮らし』みたいな事。
なんとなく、後ろめたさが残る一言でした。
なんか、いろんな方面の人たちから、怒られそう。
根っから、気の弱い性質の私は、ついつい、そう考えてしまいます。
あれこれ、理由は置いておくとしても、
取り敢えずは、
単なる、『引っ越し』だったのに。
でも、まあ、これはこれで、好いのかー。
なんて、のほほんと考えていたら、
クルミを埋めてから、2日目の朝に……
あ、穴が。
そして、
明らかに、クルミが掘り返されて。
何?
タヌキ?
キツネ?
クマ?
台風の影響で、急に降り始めた雨の中、妻と私は、すぐさまクルミを掘り返し、物置きへと移動させました。
あ。これは、妻と私が掘り出した分です。
それから2日ほどして、埋め戻して平らにしておいた土の上に、またしても、
穴と、
今度は、
足跡らしきモノが。
い、いったい、何ヤツが。
うー、定点カメラ、取り付けたーい。
なんか、夕方のニュースでやってるような、『謎の生物の正体が、遂に、明らかに!!』的な暗視映像を撮りたーい。
絶対、無理なので、おおよその見当で『正体』を推理しますと、
多分、
ネコ
です。
けっこう、周辺に、ネコちゃん、いっぱい、いるんですよー。
なかなか、寄ってきてはくれませんが。
因みに、クルミは、妻の手によって、
こんなふうに煎られて、
こんなふうに、剥かれてしまいました。
あ。
ホントだ。
結構、『田舎暮らし』
しちゃってるのかも。