『ショパン』と云われても…。

 

雨。

ずうっと、雨。

 

 昨日までは、まだ、降ったり止んだりの小雨がぱらつく程度でしたが、今日は、朝から、しっかりと大地を濡らしています。

 

 しかも、午後になって、愈々、激しく。

 

 雨、

 と謂えば、

 

 ついつい思い出してしまう唄があります。

 

  雨降りお月さん 雲の蔭
  お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
  ひとりで傘 さしてゆく
  傘ないときゃ 誰とゆく
  シャラシャラ シャンシャン 鈴付けた
  お馬にゆられて 濡れてゆく

 

 野口雨情さんが、創られた詩です。

 

 その曲調と詩のイメージからか、

 

 物悲しい。

 寂しい。

 哀愁漂う。

 

 そんなイメージを持たれ易い唄なのですが、

 

 私には、ずっと、『潔さ』とか『力強さ』を感じさせる唄でした。

 

 雨の中、誰の力も借りずに(取り敢えず、傘の力は、借りてはいますが、この際、『傘』の擬人化はしないでおきましょう)、独り、嫁いで行く、女性の姿。きっと、親が決めた縁談でも、見合いでも、合コンでも、婚活でもなく、独りでさっさと相手を見つけて来て、独りでさっさと結婚しちゃう。多分、花嫁衣裳も自腹でしょう。レンタルだと、濡れるとマズいですから。勿論、身、ひとつです。極力、濡れない体で、相手の元へと嫁いで行く。若しも、傘がなかったら、せめて、白足袋だけでも汚したくない。だったら、馬をチャーターしちゃおうじゃないの。強く、そして、潔い、独立独歩の女性の御嫁入り。

 

 ううん、違うか。

 

 然も、これって、逆の意味でのマチズモ(男性優位主義)かもしれないですしね。

 結局は、そんなふうにして男に嫁いで来る女性を礼賛している訳ですから。

 結構、なよっとした男なのですが。

 私は。

 亭主関白なんて、夢のまた夢、なんですけど。

 

 まあ、それはそれとして。

 

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 〈傘〉と書いて、『からかさ』と読む事を、私は、この伊那谷に引っ越して来て、初めて知りました。

 

 傘山。

 

 中央アルプスの前衛に位置する里山

 私のウチからは、ほぼ真正面に観えるみたいです。

 

 ずっと、『からかさやま』と音だけで耳にしていたものですから、てっきり、『唐笠山』とでも書くのだろうと勝手に思っていたのでした。

 

 然も、予想していた山とは、全く、正反対の方向に在りました。

 

 『からかさ』の『から』とは、『柄』の事なのだそうです。

 元来、我が国の場合、『かさ』は『笠』を意味し、頭に被る物でした。

 この『柄』の付いた『傘』は外来から来た文化ですから、『傘』イコール『唐傘』という文字自体も、強ち、間違いではないのかもしません。

 

 雨は、まだ、まだ、降り続いてます。

 

 明日も、きっと、雨。

 

 とうとう、オリオン座流星群を観られなかったなぁ。