〝黒に編む〟は、堂島下?
創作欲。
若しくは、
創作意欲。
ネット上で検索してみたら、結構、ヒットしました。
『維持の仕方』だとか
『湧かせ方』とか
『自己顕示欲』との関連とか。
そもそも、何故、そんな欲求が込み上げてくるのか。
それが、何よりも不思議なのですが。
つい最近、手作り絵本を製作される方と、知り合う機会がありました。
見てください、この作品群。
作者は、つかもとまゆみさん。
矢張り、ここ、伊那谷にお住まいの方です。
これは、『かぼちゃんふぁみりー』という作品。ぱたぱたと折られた本を、パタパタと折り広げながら読む仕掛け絵本です。『かぼちゃんふぁみりー』はシリーズ化して、全部で3作の物語が書かれています。
この『おもちのきもち』は、評判の一冊で、ぜひ、譲ってほしいという方も少なくありません。もちろん、出版化は可能ですが、矢張り、そうすると、手作り本来の良さが、損なわれかねません。そこが、手作り絵本の痛いトコロ。どうしても、一点もの故の難しさが存在します。
私は、『はるさんのはなし』が、とても好きです。
SF作家の小松左京氏が書いた長編に『果てしなき流れの果てに』という一大SF叙事詩があります。常に日本SF小説史上の最高位にランクされる作品ですが、その変則的縦軸テーマとして描かれる《男と女の愛と別れ》の最終パラグラフは、私が、生まれて初めて意識した『老人たちの愛』として、心に焼き付いています。『はるさんのはなし』は、どこか、この『果てしなき流れの果てに』における佐世子と野々村(だと佐世子は言い張るのですが…)との、最期の恋の行方を彷彿とさせます。
そんな艶っぽい話なんか書いてなーい。
なんて、怒られてしまいそうですが。
そして、言わずがなの、猫。
『シュールなはなし』は、とても凝った言葉遊びの妙が、堪りません。
私個人の意見ですが、唯一、本当に喋りそうな動物がいるとしたら、それは、猫です。間違いありません。
嘗て、作家の森村誠一氏が言っていました。
自分が小説を書く原動力は、『怒り』だと。
私の場合は、多分、『哀しみ』でしょう。
物語から絵、そして、製本まで全て独りの手によって作られた数々の絵本。
それらを生み出す力となったのは、一体、何でしょう。
いえ、或いは、それこそが、創作に於いて、唯々純粋に《チカラ》と呼ぶべき存在なのかもしれません。